駒ヶ岳@
〜ジャパニーズウイスキーの定義をご存知ですか?〜
随分脇道にそれてしまいましたが、
香りを模倣する話、実は3月のモルト会に繋がっていたのです。
「私の調香の先生、香料で竹鶴の香りを再現していたよ

「それって、飲めるの?」
「香水用の香料だから、そりゃ無理でしょ。
(注:食品衛生法に基づく「食品添加物公定書」により、
食品用に使用される合成香料78品目の個別物質・
18の類が定められており、
このほかの香料の使用は禁じられているそうです)
なんでそんなこと聞くの?」
「もう持ってきていい?」
「もちろん

今回並んだのは、駒ヶ岳の5本でした。
駒ヶ岳といえば、こんなブログ書きましたね

http://blog.stand-bar.com/article/158500016.html
「ikuちゃん、ジャパニーズウイスキーの定義知ってる?」
「あ、試験のとき、覚えたっけ? それすら忘れた(笑)
(注:家にかえってテキストを見ると、勉強したあとがありました…)

テキストにも書いてありますが、
日本のウイスキーの定義って、酒税法の中にあるんですね。
イ 発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、
発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が
九十五度未満のものに限る。)
ロ 発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させて、
発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が
九十五度未満のものに限る。)
ハ イまたはロに掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、
香味料、色素または水を加えたもの
(イ又はロに掲げる酒類のアルコール分の総量が
アルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の
酒類のアルコール分の総量の百分の十以上のものに限る。)
「ウイスキーコニサー資格認定試験教本」にもしっかり書いてありますが、
ポイントは、
@原料は大麦麦芽でなくてもいいんだよ

A90%はアルコール、スピリッツ、香味料、色素を加えてもいいんだよ

B蒸留器、樽、熟成年数、瓶詰最低アルコール度数、
生産場所、何でもいいんだよ

うっわ〜、そうそう、
スコッチウイスキーとは天と地ほど違うんでした!
日本のウイスキーは、すでにカクテルのようなものと言えます。
香料、色素等の添加、それがなんと90%も認められているのです。
香りを模倣したものがアルコール飲料として可であれば、
それをウイスキーとすることだって夢ではないのです。
しかし、それにしても、
香味料や色素の添加はちょっとショックでした(笑)。
ウイスキーはnaturalな印象が強かったし、
私はnatural派なので、
ウイスキーがartificialなものでありうるのがショック(笑)。
香りも、天然のものは、同じ植物でもロットによって香りが違う。
植物の生育条件が異なれば、中の成分が異なるのは当たり前のことです。
同じ品種のトマトでも、個体差があるのが当然なのと一緒です。
天然のものの凸凹を修正するのに人工的な香料が一役買う。
そうすると一定の香りになってくる。
日本のウイスキーもそんな感覚なのかもしれませんね。
天然のものの凸凹を修正するのに、添加物を少し使う。
日本人はそういうの、得意そうだしね〜

もしくは、人工的なものの割合を多くしておけば、
同じものを大量生産するのが楽ですね。
大衆的なウイスキーはそうやって作っているのかな。
「ジャパニーズウイスキー」の本の中に、
輿水さんと脳科学者の茂木さんの対談があります。
輿水 でき得る限り、人の手をかけ、技術と智恵を積み上げていく。
そこにジャパニーズウイスキーづくりの特徴を見ることができるでしょう。
茂木 一方、スコットランドのウイスキーづくりの現場は、
よくも悪くも自然体、風土の底力に負うところが大きい、
という印象を受けました。
まさにそうなんでしょうね。
そういう意味では、私は明らかにスコッチウイスキー派ですね。
目の前の「駒ヶ岳」に目を移します


1-2011-2014 3年 58.0%
2-2011-2014 3年 57.0%
3-1989-2012 23年 57.9%
4-1985-2012 27年 60.7%
5-1990-2011 21年 64.7%
山崎白秋氏コニサーズクラブレポート
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