「マスター、香料でカリラちゃん作ってみたよ

「えっ! 本当に作ったんだ! どれどれ」
「私たちはムエットで香りを嗅ぐから、まずはムエットでかいでみて」
と、私の試作品の瓶の中にムエットの先を浸します。
「カリラちゃんをちょっとグラスに入れて、ムエットの先を付けてみて」
さて、世紀の瞬間です。
マスターの第一声は何でしょう。
「あ、似てるね」
うわ〜〜〜〜〜、嬉しい


お褒めの言葉をもらえるのは本当に嬉しいです

本物のカリラと何度も何度も比べながら香りを調整しましたが、
香水を作るように作るので、
飲み物としての感覚に乏しく、
前に書いたように、ドライ感がなく、
残り香が本物と違うのが自分では気になっていたので、
「全然違うじゃん!」と言われるのではないかと、
心配していたのでした。
調香の先生が言ってくださった「さっきよりかなりいいわね」も
嘘ではなかったのですね(笑)。
もちろん、先生を疑っているわけではありません。
これで数年調香の勉強をしていますが、予習復習をしているわけでもなく、
身についている感覚もないので、とにかく自信がないのです(笑)。
なので、マスターの一言は、本当に本当に嬉しい一言でした


「瓶から直接嗅ぐと、また雰囲気が違うんだよ」
と、今度は瓶から嗅いでもらいました。
モルトを飲むときは、グラスから香りを嗅ぐわけですから、
こちらの方がより現実的な感じです。
「試作品の方が、ピートが重厚でいいね

本物が安っぽいウイスキーに思える」
お! 模倣品が本物を超えました(笑)!!
ピートの香料なんてないのに、ピートを感じてもらえたのは、
動物香料の勝利です

恐るべし、動物香料!

「自家製正露丸リキュールも持ってきたよ

リベットに2滴加えてみました。
うわ〜〜、正露丸(笑)。
青りんごの香りが一瞬で消えました。
香料の模倣は飲めませんが、こちらは飲めます。
試飲しました。
正露丸です(笑)。
まず、正露丸リキュールを希釈するところから始めなければなりませんね。
ベースのモルトも、リベットでない方がいいのかも。
「これ、うまくできたら、胃薬入りのモルトってわけだから、
健康にもいいよね(笑)

動物香料VS正露丸、これからも実験は続きます。
モルトの神秘を探るために

追伸:私の試作品は、まだスタンドバーで嗅ぐことができません。
もう1、2度トライして、納得のいくものができたら、
スタンドバーに置くことにします。
正露丸リキュールはスタンドバーに置いてあるので、
ご自由に実験にお使い下さい

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