前の投稿に追伸という形で書き始めたのですが,
書いているうちに,テンションが上がってきたので(笑),
別の投稿にしま〜す

NHKでも一度取り上げられましたが,
昨年の夏くらいに,日本の森の香りの精油が発売になりました。
アロマテラピーで用いる精油,そのもとになる植物は,ほとんどが外国産です。
アロマテラピーは1928年フランスに始まったもので,
それが1985年ごろ日本に伝わりました。
ですから,外国産であるのは,当たり前と言えば当たり前です。
日本産のものとしては,今までに,
ゆずの精油や沖縄の月桃の精油がありましたが,
本格的なジャパニーズ精油は今回が初めてです。
yuicaというブランドです

こちらをご覧ください。
http://www.sei-plus.com/

私は今,この日本の香りに魅了されています。
不思議と日本人のDNAが敏感に反応するのです

それこそ,センサーですかね(笑)

日本の香りを嗅ぐと,今まで使ってきた精油が,異国のものに思えてきます。
西洋っぽく,派手な印象です。
ウイスキーで言うと,流行の南国フルーツでしょうか(笑)

今まで大好きで使ってきた精油なのに,
日本の香りを嗅いだ後だと,
ひとつ敷居をまたがないといけない,
そんな不思議な印象があるのです。
ウイスキーでも,ミズナラ樽ってなんとなく心が落ち着く

それと同じ感じです

このyuicaブランド,檜でも,
木から採ったもの,枝葉から採ったもの,葉から採ったものが分かれています

中に入っている成分が違うから分かれているのであって,
単純に香りで分けてあるのではないはずですが。
木から採ったものは,それこそ檜風呂とか,檜の木材の香りで,
ベースノート(揮発度が低い)の重い香りですが,
葉から採ったものはトップノート(揮発度が高い)で,
フレッシュなグリーンと甘みを感じます。
森林浴の感じですね

木の香りは陰な感じ,葉の香りは陽の感じです

無茶苦茶香りが違う,って感じではないですが,
同じ「檜」でも,印象は違います。

左)yuicaエッセンシャルオイル ヒノキ 木
右)yuicaエッセンシャルオイル ヒノキ 葉
そして,同じ木から採った精油でも,「檜」「姫小松」,「翌檜(アスナロ)」では,
またまた香りが違います

翌檜は,「明日は檜になるんだ!」ってのが語源なんだそうですが,
檜より檜っぽく感じます。
本当に重いベースの香り。
甘みは感じられず,
この香りを嗅ぐだけで,呼吸がゆっくりになり,
すべてが浄化されるような感じ。
ウイスキーで用いる「ウッディ」な香りのイメージは,
私の場合,この翌檜の感じです。
その一方,姫小松となると,フルーティな柔らかい甘さが加わり,
翌檜とは随分イメージが違います。
ということは,「ウッディな香り」と一言で表現しても,
人によっては,翌檜のような重〜い香りを指したり,
姫小松のようにベースノートではあっても甘い香りを指したり,
森林浴のような,葉のグリーンなトップノートの香りを指したりするわけですね。
その人が,「木」にどのような体験を重ねているのか,
どんな「木」が生活の中に密着しているのか,
それによって,木のイメージが違ってきます。
やっぱり難しいですね〜〜〜

でも,だから楽しいのです(笑)


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