アロマセラピストとして,いや,個人的に(笑),
ウイスキーの香りの成分を直接知りたい!という願望があります。
またまた「ウイスキーの科学」(講談社ブルーバックス)より引用させてもらうと,
「西村驥一博士らは,100を超えるウイスキー成分を分離・精製して,
そしてその構造を決定された。
・・・しかし,ウイスキーには数千の成分が含まれているというから,
それでもわずか一部にすぎない」

「ウイスキーの科学」(講談社ブルーバックス)
ウイスキーの成分って,こんなにたくさんあるんだ〜〜!
精油の成分もおそらく500くらいはあると思いますが,
それぞれの植物に含まれる成分は,だいたい100くらいと言われています。
バラは多く,300くらいと言われていますが,ウイスキーにはかないませんね〜。
精油は,ガスクロマトグラフィーという機械で,
中に含まれている成分がすべて調べられるようになっています。
そして,それが,分析表という形で,購買者にもわかるようになっています。
もちろん,すべてのメーカーの精油についているわけではないのですが,
メディカル使用を目的としている精油会社の製品には必ずついていますし,
今はむしろ,その分析表の信憑性が問われる時代にもなってきています。
私がいつも使っているプラナロム社の精油は,
成分の分析がとてもしっかりしていることで有名です。
精油の成分とその薬理をかなり勉強してきたので,
ウイスキーの香りに悩殺されたときも,
まず最初に思ったのは,ウイスキーの香りの成分が知りたい!ということでした。

プラナロム
ウイスキーには,分析表のようなものはなさそうだとわかり,
ちょっとがっかり・・・。
本にあった西村驥一博士らの研究も,
その結果は専門の学術雑誌に発表されたもので,
私たちが簡単に本で読めるようなものではなさそうです。
実際に分析表があれば,
それこそ,マンゴーの香りが本当に入っているのか,
マンゴー様の香りなのか,
もしマンゴー様の香りなら,それがどんな分子なのか,
そして,それがどれくらい入っていたら人間が感知できるのか・・・,
なんだかすっごいことがわかりそうなんですが,
まだまだそこまで研究は進んでいないということなんでしょうね〜〜。

成分分析表(画像をクリックすると大きくなります)
ここにバラの分析表がありますが,
含有量の合計が100%になっていません。
これは,100%まで調べきれていないからではなく,
100%まで書くと,紙が何枚も何枚も必要になってきて,
たいへんだからです。
ここに書ききれていないものは,含有量としては,0.1%以下のものも多く,
それをすべて書くと本当にすごい資料になってしまうのです。
メーカーにはデータは残っているのですが,私たちの手元には,
主なものだけがわかる手軽な分析表が入っているわけです。
なので,これのウイスキー版が,やっぱり見てみたいんですよ〜〜〜

【関連する記事】
- 試作品の出来栄えは如何に?
- 動物香料と正露丸をつなぐもの 〜クレオソール〜
- 正露丸でアイラは模倣できるか? 〜香りをデフォルメしてみようよ♪〜
- 香料でカリラ12年♪を作ってみるぞ!B 〜動物香料の威力〜
- 香料でカリラ12年♪を作ってみるぞ!A 〜試作品ができました♪〜
- 香料でカリラ12年♪を作ってみるぞ!@ 〜アロマノージングキットがちょっとわか..
- 香料でモルトの香りを再現できるか?
- 「アノスミア」 〜嗅覚を失ってからそれを取り戻すまでの物語〜
- 調香師とブレンダー♪
- 「ウッディ」な香り♪
- 香りをどう例えるか?
- アロマノージングキット
- ガスクロマトグラフィと分析表
- バラの香りとバラ様の香り 〜フェニルエチルアルコール vs β―ダマセノン〜
- 香りのマジック♪