どの業界にも,ブームがあります。
スマホのアプリの世界で言うと,今のブームは「なめこ栽培」でしょうか(笑)。
モルト界は,やっぱりAgencyでしょう。
Agencyで出た蒸留所のものは,すぐに他のボトラーズでも発売されるのだとか。
Agencyにあやかろうとしているのでしょうかね。
まだ生まれて日が浅いボトラーズだというのに,
凄い勢いでその地位を確立しようとしています。
火付け役は,スリーリバースのようですね

ブームで恐いのは,人の意見に流されるということです。
自分で飲んで美味しい,と判断するのではなく,
「美味しいと話題になっているボトル」だから美味しい,と思い込むこと。
多数意見に意義を唱えるのって,勇気がいるけれど,
人の意見に引きずられる必要は本来ないはず

自分で判断できる力って,やっぱり大切だと思うんです。
と,さも私が言ったことのように書いていますが,
白秋先生とマスターの対談の内容です(笑)。
いえいえ,「自分で判断する力」については,
私も日頃から,どんな場面においても大切だと思っています。
人の意見に左右されず,自分の意見を持とう

自分のテイスティングの感覚を大切にしよう

で,そのためには,ブラインドで飲むことが大切でしょう,という結論に(笑)。
やっぱりモルト会に行かなくちゃ,ってことになります(笑)。
モルト会を宣伝しなくっちゃ(笑)。
ラベルを見ずに飲むというのは,思い込みを捨てることです。
自分の感覚に正直になることです。
ブームに流されないということです。

「ワインの科学」(河出書房新社)
樽のことを調べようと思って読んだ本「ワインの科学」(河出書房新社)に,
面白いことが書いてありました

ソムリエさんに標準的なワインを飲んでもらい,
1週間後にもう一度同じワインを試飲してもらいます。
しかし,ソムリエさんは,同じワインかどうかは知らされていません。
一度目は「ヴァン・ド・ターブル(テーブルワイン)」,
二度目は「グラン・クリュ(特級)」というラベルを貼り,
テイスティングにどんな差がでるかの実験です。
同じワインのテイスティングなのに,
二度目の評価の方が高くなるという実験結果が出たとのこと。
つまり,ラベルが,感覚を変えているということなんです。
これを「知覚の期待値」と言うのだとか。
プロのソムリエさんでもこうであるなら,
趣味でモルトを飲んでいる人は,
ラベルに左右される度合いがさらに大きい,ってことですよね。
しかしその一方で,ラベルを見るのもモルトを飲む楽しみの一つ

Agencyのラベルは,確かにインパクトが大きく,
美味しそうな印象を与えます

ラベルをも含め,美味しい♪と感じることは,ごく自然なことだと思います。
そう,人の受け売りではなく,
自分で感じた結果がそうであるなら,その感覚を大切にすべきですね

