「美味しい・まずいって,慣れの問題なのかな,って話題が出たんだけどね」
と,マスター。
「味ではなく香りなんだけど,
専門学校でアロマの授業をしていて,
生徒さんにいろいろ香りを嗅いでもらうと,
嗅いだことのない香りに対しては,みんな『臭い』って表現するんだよね。
高校卒業してすぐ専門学校に入った生徒さんと,
社会人になってから専門学校に入り直した生徒さんとを比べると,
社会人の生徒さんの方が,いい香りだと思ってくれるものが多い。
つまり,経験値が大きいと,許容できる範囲が広くなるんだよね」
という話しをしました。
ラベンダーや柑橘系の香りはなんとなく馴染みがあって,
いい香りだと言ってくれる人は多いのですが,
精油はかなりたくさんの種類があって,
聞いたこともないような植物から抽出されるものの方が多いのです。
アロマって,いい香りだとばかり思っていたら,
そうでもない香りに出会い,
生徒さんからブーブー言われることもあります(笑)。
しかし,不思議なことに,
最初ブーイングをくらっていた香りも,
1年間の授業が終わる頃になると「いい香り

「臭い」と言っていた頃が懐かしい,とさえ言う生徒さんもいます。
お酒の世界にもあります。
モルト派の人は,焼酎を「臭い」と表現することがある。
その一方で,焼酎派の人は,アイラモルトを「臭い」と表現したりする。
慣れていないものの匂いって,一発目は「臭い」なんですね(笑)。
マスター曰く,
たとえ慣れてない香りでも,甘いものは受け入れられる。
マンゴーの香りを知らない人でも,
「マンゴー臭い」とは言わない。
甘いものは,生まれつき,美味しい

酸味や苦味,辛みは,後天的に獲得されるもので,
それが獲得されるまでは,
いい香りだとか,美味しい♪という判断にはならないのではなかろうか。
確かに

後天的に獲得されていくものは,必ずあるように思います。
コーヒーもお酒も,はじめは美味しいと思わなかったものが,
いつの頃か美味しく感じるわけですから。
そして,美味しさには,段階があるのも感じます。
例のビニールカリラ(笑)。
例のバナナ焼酎の後に飲むと美味しいけれど,
ドロちゃんの後に飲むとね・・・・(笑)。
とすると,私の興味は,
絶対的な美味しさ,いい香りって,いったい何なんだ?
ってことに移ってきました。
甘味さえあれば美味しく感じるのか。
しかし,食べ物なり飲み物なりが,
甘味だけから成り立っているはずはないのだから,
その他の味とのバランスなのか。
もしくは味や香りの元となる成分が,どれだけ合わさっているか,
つまり層の厚さなのか・・・。
解明したい

